滋賀県愛荘町の名神高速道路で3月、高速バスが渋滞最後尾に突っ込み、7人が重軽傷を負った事故で、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の罪に問われた西日本ジェイアールバスの運転手(34)の初公判が20日、大津地裁(大嶋真理子裁判官)であった。検察側は禁錮1年を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求め、即日結審した。判決は7月4日。
検察側は冒頭陳述で、「運転中に眠気を覚え、送風を顔に当てるなどして運転を継続していたが、仮睡状態に陥った」と指摘。論告で「事故前夜に十分に睡眠を取れる時間があったにもかかわらず、スマートフォンで動画を見て夜更かしし、睡眠不足を承知の上で業務に就いた」と非難した。
弁護側は「深く後悔し、転職することを決めている」と述べ、情状酌量を訴えた。
起訴状によると、運転手は3月10日午後0時20分ごろ、名神高速で高速バスを運転中、眠気を覚えたものの、運転を中止せず仮睡状態に陥り、愛荘町で渋滞していた車列の最後尾の乗用車に衝突。4台を巻き込む多重事故を起こし、計7人に重軽傷を負わせた、としている。