【中国】次世代原発建設に前進、新原子炉の実験認可[公益]

中国生態環境省はこのほど、新型原子炉の一種トリウム溶融塩炉(TMSR)の実験を認可した。TMSRは安全性が高く、中国が次世代原子力発電所の建設に向け一歩前進した形だ。

中国科学院上海応用物理研究所が設計した。原発は核反応で生み出された熱エネルギーを電気エネルギーに変換する仕組みで、同研究所が今回開発したTMSRの熱エネルギー出力規模は2メガワットサーマル。甘粛省武威市で実験を進める。

TMSRは炉心溶融(メルトダウン)の危険がなく放射性廃棄物が少ないといった利点を持つ。現在稼働している原発が持つ課題を克服している形で、TMSRの実験が成功すれば、中国が次世代原発技術の開発で大きく前進することになる。

中国政府は温室効果ガスの排出量削減を目的に、原発の規模拡大に注力している。

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