茨城・龍ケ崎道の駅、計画再考へ 牛久沼越水 市長「安全を確保」

龍ケ崎市役所

6月初めの大雨による牛久沼(茨城県龍ケ崎市)の越水被害を受け、萩原勇市長は20日の市議会本会議で、牛久沼東岸に整備を予定する道の駅について、「一度立ち止まる。安全確保を最優先に取り組む」と話し、治水対策など国や県と協議しながら、整備計画を再検討する考えを示した。

道の駅の整備を巡り、市議会で萩原市長は「現在は復旧に取り組んでいる」とした上で、「護岸改修だけでなく、治水の防災機能を高める必要がある」と答弁し、牛久沼の越水を受け、河川管理者である県や国と改めて協議が必要との認識を示した。

札野章俊(公明)、金剛寺博(共産)両氏の一般質問に答えた。

議会終了後、茨城新聞の取材に萩原市長は「(市民らの)命がかかってくること。課題を整理して国や県としっかり話し合う」と述べ、防災強化を考慮した整備計画の再検討が必要になるとの認識を示した。越水の原因については「これからの分析になる」と述べるにとどめた。

市防災安全課によると、2日から3日にかけて降った大雨により、道の駅の建設予定地南側にある廃虚敷地内に越水した。3日午前10時過ぎ、市民から連絡が寄せられた。このほか、市内では床上浸水が2件、床下浸水が20件あった。国道6号も一時通行止めとなった。

道の駅整備事業は、同市が2017年に基本計画を定めた。国道6号沿いを建設予定地とした国土交通省との共同事業。本体工事の前段となる護岸改修工事で軟弱地盤と分かり、開業時期は延期された。

昨年1月に就任した萩原市長は、道の駅事業の「再検証」を明言。今年3月には機能を縮小する方針を示し、環境を生かした水上レジャーなどの拠点化を図ることとした。事業費は昨秋の試算から約8億円を圧縮し、約17億5700万円を見込む。開設時期は他の大型事業との兼ね合いから、28年度内を目標に掲げている。

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