茨城・坂東の女子高生殺害から19年 情報収集「逮捕まで」 同級生、亡き友に誓う

平田恵里奈さんが意識不明で発見された現場で、呉屋美香さんは夫とともに献花した=坂東市長須

茨城県坂東市(旧岩井市)で2004年6月、同市(旧猿島町)の県立高1年、平田恵里奈さん=当時(16)=が殺害された事件で、同級生の呉屋美香さん(35)が、事件解決に向け情報提供を求める活動を続けている。発生から19年を迎えた20日には、平田さんが見つかった現場で献花。亡き友に「犯人逮捕まで続ける」と誓った。

平田さんは04年6月20日午前6時50分ごろ、同市長須の市道脇の草むらで意識不明の状態で発見され、搬送先の病院で死亡した。靴を履いておらず、靴下の汚れや着衣の乱れなどはなかった。司法解剖の結果、死因は首を絞められたことによる窒息死と判明。県警境署に捜査本部が設置された。

これまでの捜査で、平田さんは同19日深夜から20日未明にかけ、市内のファミレスで友人と食事をしていたことが分かっている。その後、公園やコンビニ店に自転車で移動。同日午前5時45分ごろ、「財布をすられた」などと110番通報を2回したが、それ以降の足取りが分かっていない。

呉屋さんは高校時代、平田さんと同じバドミントン部に所属した親友。事件後は毎年の命日、平田さんが見つかった場所で花を手向けてきた。

22年6月からは、インターネット上で情報提供や事件解決を求める署名活動を開始。約1年間で約610人の賛同を得た。同年は現場近くの食料品店でも署名活動に取り組んだ。

「犯人が逮捕されますように」「遺族や関係者が報われますように」「応援しています」-。署名活動の反響は大きく、呉屋さんは「恵里奈を思ってくれる人が少しずつ増えているのが唯一の希望」と力を込める。

呉屋さんと平田さんが最後に会ったのは事件前日。日中に他の友人と3人で食事後、呉屋さん宅で談笑した。別れ際に「また明日ね」と交わしたあいさつが最後の会話だったという。

呉屋さんは「犯人が捕まるまで署名活動と情報提供の呼びかけを続けたい」と話した。

県警は、解決につながる情報提供者に最大5万円を支払う報奨金制度の対象事件に指定。捜査1課は「事件解決に向け、捜査を続けている」としている。

平田恵里奈さん

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