佐賀清和高美術部が整肢学園に絵画寄贈 子どもや職員「勇気付けたい」

絵画を寄贈した佐賀清和高美術部の生徒たち=佐賀市の佐賀整肢学園こども発達医療センター

 佐賀市の佐賀清和高美術部は17日、同市の佐賀整肢学園こども発達医療センターに絵画作品を寄贈した。2、3年の部員5人が「通院する子どもたちやコロナ禍で尽力する職員らを勇気付けたい」との思いを込めて共同制作し、同センター1階の廊下に設置された。

 同部からの絵画の贈呈は3回目。最初は2019年で、同センターの看護師で当時の部員の母親でもある中村伸子さん(52)が絵画の設置を提案したことがきっかけだった。今回は同センターの患者や治療などについても調べて理解を深めた上で、アイデアを出し合って制作し、2月から約2カ月をかけて完成させた。

 作品は漫画風のコマ割りにし、ストーリー性を盛り込んだ。自分自身の存在価値について自信を失った主人公が、足元の小さな鳥を助けることで希望を取り戻す内容。同センターのロゴマークも登場するほか、目や背景の描写で感情の変化を繊細に表現するなど、工夫を凝らした。

 部長の峰希林さん(3年)は「落ち込むことがあっても、誰かに助けてもらったり、人を助けることで、新しい道が開けるはず。人によって作品の解釈は異なると思うので、家族や友達と話しながら見てほしい」と完成した作品に胸を張った。

 現在も同センターで看護師として働く中村さんは、「殺風景だった廊下が明るい雰囲気になった。子どもたちが足を止めて絵画を見ていたり、職員が『次は何かな』と作品を楽しみにしていたりする。お互いにとって良い取り組みだと思うので、ぜひ続けていければ」と意義を語った。(德川詩織)

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