「差別あってはならない」 ユダヤ人のフランクルさん 佐世保で講演

自身の体験から、差別問題などを語ったピーター・フランクルさん=佐世保市、アルカスSASEBO

 「いのちを見つめる強調月間」に合わせ、ジャグリングで有名な数学者ピーター・フランクルさんが17日、長崎県佐世保市三浦町のアルカスSASEBOで講演した。フランクルさんは、人種やジェンダーといったさまざまな差別について「あってはならないこと」と訴えた。
 フランクルさんはハンガリー生まれのユダヤ人。子どもの頃、知人から差別的発言を受けたことを機に「ユダヤ」という言葉を初めて聞き「(私たちは)普通のハンガリー人ではない。ユダヤ人なのだ」と悟ったという。その後も自身が受けた差別や不当な扱いを踏まえ「差別はあってはならない」と説いた。
 その上で「ではなぜ差別がなくならないのか」と問題提起。「(子どもの頃に周囲から聞いた内容を)信じてしまい残っているから。だから差別の根を切るのは難しい」と語った。
 安全保障環境などを例に、日本と他国との関係にも言及。中国、韓国人に抱く日本人の感情が良くないと憂え「(古来の)日本人の良さは和を重んじること。だから出身や国籍などによって最初から差別意識を持つようなことはしないで」と呼びかけた。

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