ウシオ電機創業者、元経済同友会代表幹事の牛尾治朗氏死去 兵庫・姫路市出身

牛尾治朗氏

 光応用製品のウシオ電機を育て上げるとともに経済同友会代表幹事など財界の要職を歴任した牛尾治朗(うしお・じろう)氏が13日午前2時55分、誤嚥性肺炎のため死去した。92歳。兵庫県姫路市出身。葬儀・告別式は近親者のみで執り行った。後日、お別れの会を行う予定。

 姫路市立城巽小(現白鷺小中学校)2年時に神戸・舞子に転居。旧制神戸三中(現長田高)、旧制三高(現京大)を経て東大卒。東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。一時、神戸銀行(現三井住友銀行)に籍を置いた後、1959年、父の起こした牛尾工業へ。64年、電機部門を切り離し、産業用ランプのウシオ電機として独立させた。70年に姫路市に播磨事業所を開設し、発展の礎をつくった。79年から会長、2020年に名誉相談役。

 財界活動にも力を入れ、日本青年会議所会頭、第2次臨時行政調査会専門委員、経済財政諮問会議議員などを歴任。市場主義に基づく積極的な発言で財界をリードした。著書に「私の履歴書」「人生と経営のヒント」などがある。(加藤正文)

【清元秀泰姫路市長】

 「牛尾治朗氏の突然の訃報に接し、とても残念でなりません。ウシオ電機株式会社を設立され、様々な光応用製品で業界の発展の礎を築くとともに、経済同友会の代表幹事を務められるなど、日本を代表する経営者として、本市をはじめ、日本経済の発展に大きく貢献されました。『ものづくり』の偉大なる先達の訃報は、本市にとりまして計り知れない大きな損失であり、痛惜の念に堪えません。そのご功績と、本市に対しての長年のご貢献に敬意と感謝の意を表するとともに、姫路市民を代表して謹んでお悔やみ申し上げます」

【齋木俊治郎・姫路商工会議所会頭】

 「経済界に大きな足跡を残された大先輩でありながら姫路ご出身であるからこそ身近に感じておりました。突然の訃報に接し深い悲しみに包まれております。牛尾治朗氏の祖父梅吉様 父健治様は戦前、姫路商工会議所会頭をお務めになられました。治朗氏も姫路のお生まれ、折に触れて姫路のことを気に掛けていただいていたとお聞きしています。祖業をお継ぎになり、1964年にウシオ電機を創業以来、会社の業容拡大を果たされたうえに日本経済の羅針盤としてさまざまな分野でのご活躍、そしてそのご功績に心から敬意を表し、ここに姫路経済界を代表して心からのご冥福をお祈りいたします」

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