子どもを地方の保育園に通わせながら、数週間、家族で滞在する「保育園留学」がいま、人気を集めています。移住を促進したい静岡県東伊豆町は「保育園留学事業」に手を挙げ、いま、東京から1組の家族を受け入れています。
<男の子>
「(虫が洋服に付いてる)わー怖い!誰か取ってよ!この中に入れて。あぁ、怖かった」
虫に慣れていない4歳の男の子。都内から東伊豆町に「保育園留学」としてやってきて、4日目です。
「保育園留学」は都内の企業「キッチハイク」が2021年から始めた事業で、親と未就学児童が地方に滞在しながら、子どもを認定こども園などに1週間から3週間通わせます。北海道から熊本まで全国19か所で展開され、キャンセル待ちも出ている人気のプログラムです。
<キッチハイク 広報 福田将人さん>
「今まで(全国で)200組以上の方にご利用いただいています。キャンセル待ちは最高2500組までいきまして、現在は新しい募集がありますので、随時、案内している状況」
まずは旅行感覚の短期滞在で地方にお金を落としてもらい、あわよくば移住のきっかけになればと地方から期待が集まる「保育園留学」。キッチハイクの広報担当者・福田将人さんが2022年、東伊豆町に移住したことが縁となり、人口減少に悩む町は2023年度から「保育留学事業」に乗り出しました。
<東伊豆町役場 子育て支援係 横山貴洋さん>
「今後、町で少子化が進んでいく中で、保育園の活用としてもうまく事業が波にのっていければ」
いま東伊豆町で実施されている「保育園留学」は1家族限定のいわばテストケース。都内のIT系企業につとめる44歳の父親は東伊豆への“留学”について、このように話しています。
<東伊豆町の保育園留学を決めた父親>
「東京から車で行きやすいので、東伊豆町に決めました。世界が広いこと、いろんな人、いろんな自然があることを子どもに体験してもらいたいと思いました」
東伊豆町は保育園留学について「当面は、小規模で受け入れながら徐々に受け入れ人数を増やしていきたい」としています。