ロボットスーツ「HAL(ハル)」を製造販売するサイバーダイン(茨城県つくば市、山海嘉之社長)は21日、既存の「医療用ハル下肢タイプ」を使えない小柄な患者向けに開発した同小型モデルについて、製造販売の承認申請を国の医薬品審査を担う医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出したと発表した。
小型モデルは、対象とする体重が15~50キロ、身長が100~150センチと、既存モデルと比べ小柄な患者に対応する。適用疾患は、既存モデルで既に承認を受けている脊髄性筋萎縮症といった神経筋難病(8疾患)と脊髄疾患(2疾患)。
同社によると、承認申請により、これまでサイズが合わず医療用ハルを利用できなかった小柄な患者に対して、治療機会を広げる大きな一歩になるという。PMDAによる審査が円滑に進むよう、情報の提出に適宜努めていく方針。今後は、欧州やアジアをはじめ、海外でも医療機器の申請を順次行う。
同社の担当者は小児向け医療機器は採算を取りづらい点を指摘した上で、「社会的な意義は大きく、小児だけでなく小柄な大人にも適用可能にすることで採算性にも配慮している」と話した。