GPS測量作業体験 水戸農高、実習で30人 茨城・那珂

衛星利用測位システムを利用したGNSS測量を体験する生徒たち=那珂市東木倉

生徒たちに測量業界に関心を持ってもらおうと、茨城県立水戸農業高(那珂市東木倉)は15日、農水省那珂川沿岸農業水利事業所と県土地改良事業団体連合会と連携し、測量の実習を行った。同校土木科3年の生徒約30人が衛星利用測位システム(GPS)を備えた機器などを使い、測量作業を体験した。

同校の総合学習の一環で、地域の外部機関と連携して継続的に技能実習を実施することで、生徒の職業選択の幅を広げてもらうことが目的。昨年、生徒たちは御前山ダムなどでの現地実習を経験した。

前半の座学で生徒たちは、「全地球航法衛星システム(GNSS)測量」についての説明を受け、カーナビや船舶、スマートフォンの位置情報を取得するために利用され、一つの受信機で同時に4個以上のGPS衛星から電波を受信して測位する「単独測位」や、数センチの誤差でリアルタイムに測位ができる「ネットワーク型RTK測量」などについて学んだ。

野外での測量実習では同連合会職員から説明を受けながら2種類の方法で測量の実務を体験。GNSS測量の体験では、生徒たちが受信機とアンテナが一体となった2メートルほどのポールを手に、地面にランダムに配置された目印の座標を割り出し専用の端末に登録した。

建築関連への就職を考えている高根沢颯汰さん(17)は「普段の実習で使う物よりもハイテクな機械だった。貴重な体験を就職先でも役に立てたい」と話した。清水琉聖さん(17)は「実習を通して、公務員への就職も考えていたが測量会社への就職も視野に入れてもいいと思った」と関心を持った様子だった。

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