顧客の信用大事に 富大でアリタ・在田会長が講演

  ●富山新聞文化センター寄付講座

 富山新聞文化センター寄付講座「地域企業の経営者から学ぶ」は21日、富大五福キャンパスで開かれ、アリタ(高岡市)の在田吉保会長が大火や戦争、バブル崩壊などさまざまな困難を乗り越え、環境の変化に対応してきた会社の歴史を語った。「一番大切なのは、いかにしてお客の本音を正しくつかむかだ」と述べ、信用の重要性を強調した。

 在田会長は、1868年(明治元)年の創業当時は陶磁器の卸売りを行っていた同社が、需要の減少などから建材業界に進出した経緯などを説明した。明治時代に大火で財産のほとんどを失い「無一文の焼け跡」から、顧客との信用を大事に再出発。大正・昭和には全国屈指の陶磁器問屋になったと話した。

 「お客様第一主義」として取り組んできた、顧客への提案訪問やクレーム対応などを紹介した。

 講座は経済学部と人文学部の同時開講で、富山新聞文化センター富山教室で2015年に開講した「富山マネジメントアカデミー」が母体となっている。次回は28日、三協立山(高岡市)執行役員、三協マテリアル社副社長の花木悟氏が講師を務める。

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