茨城・筑西在住のケラーさん、必勝誓う 7人制サッカー日本代表監督就任 9月に世界大会

ソサイチの日本代表監督として世界大会に挑むコスタ・ケラーさん=筑西市玉戸

7人制サッカー「ソサイチ」の日本代表監督に茨城県筑西市在住のサッカースクールコーチ、コスタ・グレゴリー・ケラーさん(38)が就任し、9月にメキシコで開かれる世界大会で指揮を執る。市内のスポーツ施設でソサイチのチームを立ち上げ、関東リーグ1部昇格に導いた実績や、豊富な国際経験を買われた。南米などの強豪国が集う世界大会へ準備を重ね、「トロフィーを茨城に持ち帰りたい」と意気込む。

ブラジル発祥のソサイチは、ポルトガル語で「社交的サッカー」の意。ゴールキーパーを含む7人で1チームを構成する。コートの広さはサッカーの4分の1ほどで、オフサイドはない。選手交代は自由で、ボールはサッカーボールより弾みにくいのが特徴だ。

国内では日本ソサイチ連盟(東京)が2006年に普及活動を始めた。同連盟によると、現在は全国9地域で通年のリーグを展開し、約200チームに3千人ほどが参加する。

ペルー出身でブラジル人の両親を持つケラーさんは、幼少からサッカーに親しみ、米国の高校チームなどで活躍した。主に中盤を務め、身長186センチの高さを生かしたパワープレーも得意だったという。

初来日は18歳。宣教師の両親を支えるのが目的で、群馬、栃木の各県で移住を重ねた。20歳で進学したブラジルの大学を卒業後同県小山市で再び両親と暮らし、筑西市内で子どもたちにサッカーを教え始めた。

15年から同市玉戸のスポーツ施設「シャロームスポーツセンター」でサッカースクールコーチを務め、19年にソサイチのチームを創設。監督としてソサイチ連盟の関東リーグ3部に参入して好成績を収め、22年に最上位の1部に昇格した。これらの実績、4カ国語を操る豊かな国際経験が評価され、今年1月に日本代表監督として日の丸を背負うことになった。

9月の世界大会は「フットボール7ワールドチャンピオンシップ2023」。ブラジルやアルゼンチン、フランス、ウルグアイなど16カ国が参加する。同連盟が日本代表を編成するのは、17年のブラジル遠征以来という。同連盟の福満俊也事務局長(36)は「国内でソサイチの注目度が上がり、リーグが盛り上がるなど良い循環につながればいい」と期待を寄せる。

世界大会に先立って開かれた初のアジア大会「アジアセブンス」では、予選でブルネイ、インドなどとの総当たり戦を制し、決勝戦もインドを3-2で下して初代王者に輝いた。

ケラーさんは「不安やプレッシャーから解き放たれた」と振り返る。強豪ぞろいの世界大会に向け「日本のソサイチの成長を確かめるチャンス」と語り、必勝を誓った。

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