都市部で1人勤務の交番中心に集約へ、兵庫県警が駐在所含む698カ所の再編検討

兵庫県警察本部=神戸市中央区

 兵庫県警が、計698カ所ある交番と駐在所の再編を検討している。勤務員が1人の都市部の交番を中心に集約を進める。2023年度中に基本方針を公表し、対象となる地域の住民らに説明を始める予定。

 県警によると、4月1日現在、県内には426カ所の交番と272カ所の駐在所がある。都市部では、警察官1人で勤務に就く交番も多く、再編によって1カ所当たりの人数を増やし、全体的な機能強化につなげる狙いがあるという。

 20日に開かれた県議会警察常任委員会で、再編の方向性をただされた曽根明文警務部長は1人勤務の交番の弱みを説明。夫婦間のもめ事などに対応する際に、双方を離して事情聴取できない▽交番での警戒と地域のパトロールを両立できない-などを挙げた。

 その上で「限られたリソース(資源)を効果的に活用するため」などと再編の意義を強調。県警によると、対象となる交番と駐在所は地域の特性や施設の老朽化なども踏まえて決定するという。

 警察施設を巡っては17年12月、本部長の諮問機関で有識者による「次世代に向けた兵庫県警察の組織の在り方を考える懇話会」が、警察署や交番、駐在所を集約化すべきだとの答申を提出。21年春、警察署を49署から46署に再編していた。(小川 晶)

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