豊作願い早乙女田植え 茨城・大子 夏至の伝統行事

神田で手植えする早乙女たち=大子町下野宮

夏至に行われる、豊作を願う伝統行事「近津神社の中田植(ちゅうだうえ)」が21日、茨城県大子町下野宮の同社隣接地で行われた。7人の早乙女は社殿での神事の後、準備された神田で横一列に並び、手際よく苗を手植えした。珍しい初夏の風物詩で、見物する地元住民や多くのアマチュアカメラマンらが集まり、にぎわいを見せた。

1191(建久2)年から832年続く伝統行事で、神事と祭りで豊作を祈願する。コロナ禍のため、ここ数年は神事と田植えだけ簡素化して行っている。今年も境内での祭りは行わず規模を縮小して実施した。

行事を仕切った地元の「田植歌保存会」の益子光洋会長は「伝統を守り、ついた餅を来場者に配ることもできた。来年は、前夜祭と体験企画も行いたい」と話した。

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