秋月平和賞に山川さん 長年の平和教育を評価 長崎

活水高平和学習部の部員に太平洋戦争や原爆についての講話をする山川さん=2021年7月、長崎市宝栄町の同校

 核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員会(朝長万左男委員長)は21日、平和運動に功績があった個人や団体に贈る今年の秋月平和賞に、被爆者の山川剛さん(87)を選んだと発表した。小学校教員時代から長年にわたる平和教育が評価された。7月2日、長崎原爆資料館(長崎市平野町)で開く「ながさき平和大集会」で授与する。
 山川さんは小学3年の時、爆心地から約4.3キロ離れた浪の平町で被爆。1997年まで36年間、県内で小学校教員を務めた。2005年から14年まで活水高で「長崎平和学」の授業を担当。現在も市内の小中学生や修学旅行生らに被爆体験を語り継いでいる。
 同実行委は戦争や原爆の史実を通して、子どもたちに命の尊さを考えてもらう平和教育の充実に尽力してきたと指摘。朝長会長は会見で「平和教育の元祖。長崎の平和学習というと、山川先生」と述べた。
 同賞は長崎で被爆した医師、故秋月辰一郎さんの思いを受け継ぎ、08年に創設。これまで故本島等元長崎市長らが受賞した。
 平和大集会は1989年から開き、今年で33回目。広島・長崎で二重被爆した祖父の被爆体験を伝えている原田小鈴さんが講演する。長崎居留地キッズコーラスの合唱や平和活動に取り組む4団体の活動報告もある。

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