施策と核ごみ「相いれない」 対馬市長が一般質問で答弁 長崎県

 長崎県対馬市の比田勝尚喜市長は21日の市議会一般質問で、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分場について、市が重点的に進める持続可能な開発目標(SDGs)関連施策とは「相いれないところがある」と述べた。
 同市は2020年、持続可能な島づくりの方針を示した「SDGs未来都市計画」を策定。海洋プラスチックごみの再資源化などに取り組んでいる。
 同計画と処分場の整合性をただした、小島徳重議員(対政会)への答弁。比田勝市長は、昨年制定した「ごみゼロアイランド対馬宣言」にも触れ、SDGs推進の取り組みと、地下深くに核のごみを埋設する処分場の機能は、相反するとの見方を示した。
 このほか「(処分場は)産品への風評被害や環境への悪影響が懸念される」と改めて憂慮。選定の第1段階となる文献調査応募の是非は、大石賢吾知事への相談や学識者の見解、市民の思いを踏まえ「最終的な判断をしたい」と述べるにとどめた。
 2年程度の文献調査に応募した自治体には、最大20億円が交付される。同市の計11団体は賛否などの立場から8件の請願書を提出しており、市議会は定例会閉会後の7月以降に特別委員会で審査を始める見通し。

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