コロナ対策で免疫低下?子どもたちの間で感染症が拡大 背景は…

インフルエンザの流行で、学級・学年閉鎖などの措置が取られている学校もありますが、子どもたちの間で流行しているのは、インフルエンザだけではありません。新型コロナウイルスの5類への引き下げから1か月あまり。今、様々な感染症が拡大しています。その背景を取材しました。

愛媛県松山市内にある平井こどもクリニック。この日、待合室には、保護者に抱かれてぐったりする子どもたちの姿がありました。ほとんどが発熱のため訪れたといいます。

1人の男の子も37℃を超える熱があり、お父さんのひざの上で診察を受けていました。

医師「せき、鼻水は?」 父「ずっと出ています。で、夜に吐いてしまう」

検査の結果、RSウイルス陽性でした。

平井医師 「もろもろいろいろな風邪が流行っている。インフルエンザも流行っている」

新型コロナウイルスの5類への引き下げ以降、子どもたちの間で広がる様々な感染症。医師は、マスクや消毒などコロナ禍の対策によって流行が抑えられ、免疫力が落ちていた中で、対策を緩めたことが影響しているのではと推測しています。

平井医師 「風邪に関しては、かかることによって免疫ができてくる側面があり、コロナの3年間、風邪が少なかったので、風邪のウイルスに対する免疫力が非常にない子どもが多くいるところに、人の流れができてきて、いっぺんにいろいろな風邪が広がっているのでは」

医師は、手洗いやうがい、マスクの着用といった基本的な感染対策を呼びかけています。

愛媛県内で報告された定点医療機関1か所あたりの患者の数は、5月下旬以降、RSウイルスとヘルパンギーナが大幅に増えています。また、インフルエンザは流行の目安とされる1を大きく超えた状態が続いています。

では、RSウイルスとヘルパンギーナの2種類の感染症は、それぞれどのような対策を講じたら良いのか。

まずRSウイルスは、飛沫や接触などでうつる呼吸器の感染症です。軽い風邪症状から重い肺炎まで様々で、生後6か月未満の乳児や心臓などに基礎疾患がある子どもは重症化するリスクがあるので注意が必要です。感染予防には子どもが触れるおもちゃなどをアルコールで消毒するほか、手洗いの徹底が有効だということです。

また、ヘルパンギーナはいわゆる夏風邪の1つと言われていて、発熱と同時に口の中に水ぶくれができて喉が痛むのが特徴です。感染予防には、こちらも手洗いが有効で、家族が感染した場合はタオルやコップの共用を避けましょう。

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