コロナ感染拡大、神戸の医療機関でクラスター 久元市長が注意喚起「高齢者や障害者の入所施設でも感染相次ぐ」

感染拡大傾向にある新型コロナウイルスについて言及する久元喜造・神戸市長=22日午後、神戸市役所

 神戸市の久元喜造市長は22日の定例会見で、新型コロナウイルスの感染状況を取り上げ「若干の感染拡大がみられる」と述べた。5月8日に「5類感染症」へ移行した後、全国的に感染者数が増加。市内も同様の傾向にあり、市民に注意を促した。

 同市では、5類移行後に市内48医療機関で感染者数を定点観測。1医療機関当たりの感染者数は5月8~14日が1.35人だったが、6月12~18日は3.46人で約2.5倍に増えた。全国的にも同じ期間で2.63人から5.11人となった。

 市によると、病床使用率は5類移行後で5月23日の9%が最も低かったが、6月22日時点では21.5%まで上昇。入院患者のほとんどは高齢で軽症という。

 久元市長は、入院調整などの医療提供体制に問題はないとの認識を示す一方、「市内の医療機関1カ所でクラスター(感染者集団)が発生した。高齢者や障害者の入所施設でも感染が相次いでいる」と懸念。「重症者が増える可能性は今のところ考えられないが、感染すれば社会生活に影響が出る。コロナとの共存を図ることが求められ、発熱などの症状があれば、かかりつけ医の診察を受けてほしい。高齢者や基礎疾患がある方は、ワクチン接種もお願いしたい」と呼びかけた。(金旻革)

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