「子どもの気を引きたかった」自宅燃やした40歳女に有罪判決

大津地裁

 滋賀県近江八幡市で昨年8月、自宅に火を放ち全焼させたとして、現住建造物等放火の罪に問われた無職の女(40)の裁判員裁判の判決公判が22日、大津地裁で開かれた。谷口真紀裁判長は懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役5年)を言い渡した。

 判決によると、昨年8月24日午前8時20分ごろ、ライターで自宅の室内に火をつけ、木造2階建て約140平方メートルを全焼させた。同居する子ども3人は逃げ出して無事だった。

 判決理由で谷口裁判長は「建物全体や近隣に火が燃え広がる恐れのある危険な行為だった」と指摘。「子どもに相手にされなかったことで見放される不安を感じ、焼け跡を見せて気を引きたかった」とする動機は「身勝手」と非難した。

 一方、被告が重度のアルコール依存症で、抗不安薬も服用していたことを考慮し、依存症の回復支援施設などの支援が見込まれ、家族や近隣住民も厳罰を求めていないことから、執行猶予を付けた。

© 株式会社京都新聞社