中国の電気自動車乗り比べ ②SUV編

SUV編 キャデラック LYRIQ

このたび、中国国内の自動車事情について知るため、自動車メーカー各社および開発区域に出向いて試乗体験をし、それぞれの自動車の乗り心地を比較するという試みをしてみました。各社の自動車乗り比べを通し感じたこと、および中国国内の現状をご報告させていただきます。

当レポートは、セダン編・SUV編・ミニバン編・コンパクトカー編・タクシー編・まとめ編に分けており、今回は2回目、SUV編をお届けします。

2台目は米自動車会社メーカーのキャデラック、歴史のある高級車です。こちらから電気自動車のSUVであるLYRIQという車種が販売されているとのことから試乗をしてみました。

乗った感想を率直にお伝えします。外観はそこまで大きく見えないのですが、実際に乗ってみると想像以上に広く感じました。EV車だからこそ、部品が少なくて広く感じられるのかもしれません。内装ですが、横長のタッチパネルがあり、高級感があります。しかし、先日体験したNIOと比較すると、そこまで「新時代の車」という感じはしませんでした。

走行時の乗り心地は、「これこそSUV!」というイメージ。電気自動車であるためエンジン音はしませんが、非常に大きく、広く、助手席に乗っていても、車体の重みを感じます。小柄な女性に運転をしてもらったのですが、ハンドル操作を見ると、少し重たそうでした。また、サスペンションが効いているせいか、揺れが大きいと思いました。しかし反対に、山道や舗装されていない道路、ガタガタ道では非常によく走るんだろうと想像できます。(車体重量は2.5トンほどだそうです)

そんなに大きく重量感のある車であるにも関わらず、電気だけで走っているということに感動しました。想像していたよりも「電気だけで走っている」という感覚はなかったです。

自動運転の機能についてですが、現在は高速道路に限り利用できるとのこと(ハンドルを離すことは法律で禁止されている)。追従走行も車線変更は問題なくできました。車体が重いせいか、揺れが大きいと感じたこと、急発進する感じがあったことが印象に残っています。

自動車業界もターゲット層によって棲み分けがあり、この店舗に来店されるお客様の中には、欧米系の高級車と比較されるかたが多いとのことです。新勢力の電気自動車メーカーとは顧客層が異なるため、比較できる対象にならないとのことで、自動運転にはあまり焦点を当てておらず、「電気で走るSUV」というところに重点を置いているのかな、と個人的に感じました。

こちらの車の感動した点は、「力強く走れそう!」というところです。電気自動車にも関わらず、この力強い走りは驚きました。SUVはガソリンでないといけない、燃費が悪い、という先入観をなくすような車種でした!ぜひ、この車で一度山道をカッコよく走ってみたいです!

次回ミニバン編に続く。

© HKP