杉本エリックの自戒 「オレ、ゴルフしろよ」からハーフ“29”

後半9ホールで「29」。8アンダーで首位発進(撮影/松本朝子)

◇国内男子◇ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 初日(22日)◇西那須野CC(栃木)◇7036yd(パー72)

勢いが弱まりそうもない雨に心がなえそうだった。杉本エリックはこの日、天候が悪化した午後のスタート。1つスコアを伸ばして迎えた前半17番のプレー中、水が浮いたグリーン上で、他選手に救済が必要になった状況から、思わず競技委員に「試合を止めるべきではないですか?」と意見した。

その後、午後2時54分から約30分の中断中にハッとした。「弱い考え方のほうに自分が行っている。どんな状況でもプレーできないとダメだ。文句を言うんじゃなくて、ゴルフしろよ」。厳しいコンディションでのプレーは、いま外に出ている選手みな同じ。自分を厳しく戒めると、再開後に良い流れが来た。

2打目でグリーンをショートさせた折り返しの18番で1.5mのパーパットを沈め、後半アウトで大爆発。3番からの4連続を含む7バーディでハーフ「29」をマークした。「自分の世界にうまく入れた感じで良かったです」。午前にティオフした片岡尚之、河本力に並ぶ8アンダーの首位スタートには大きな価値がある。

1歳のときに移住したカリフォルニア州で育ち、ザンダー・シャウフェレとは幼い頃から仲良し。日本ツアーに参戦してからというもの、選手ミーティングなど公の場で自分の意見をきちんと述べる姿勢を示してきたひとりだ。

初勝利が待ち遠しい。前週の「ハナ銀行インビテーショナル」は6位で迎えた最終日に「77」と崩れて39位に終わった。「もちろん優勝したいと言うのは簡単ですけど、そこにたどり着くまでにはつらい思いもある。コントロールできるところをコントロールして、自分が納得いくプレーを。あと3日、しっかりやりたいです」と、手の届く範囲のことに集中する。(栃木県那須塩原市/桂川洋一)

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