松山英樹 打撃練習場で5時間の“きっかけ探し”

練習場でスイングチェックを繰り返す(撮影/服部謙二郎)

◇米国男子◇トラベラーズ選手権 事前 (20日)◇TPCリバーハイランド(コネチカット州)◇6852yd(パー70)

「全米オープン」で思うような成績を残せなかった松山英樹。「トラベラーズ選手権」出場のため、休む間もなく月曜日に西海岸のロサンゼルスから東海岸のコネチカットまで大移動してきた。火曜日の午前中に試合会場に顔を出すと、練習場へ直行。パター練習もそこそこに、打撃練習場でみっちりとボールを打った。

どうしても納得するボールが出ない。打っては顔をしかめ、シャドースイングをして体の動きを確認し、また球を打つ。時折トラックマンのデータを見て、ボールスピードをチェック。その一連の作業を何度となく繰り返した。なんでうまくいかないのか? なんでいい状態を続けられないのか? スイングの“きっかけ”を探すように、自問自答し、ときおり地面のボールを見つめてなにやら思いにふけった。

動画を撮ってはスイングを確認(撮影/服部謙二郎)

全米オープン最終日、松山は「75」を打ったが、正直ドライバーに関しては4日間で一番いい球を打っていたように思う。質のいいドローボールでフェアウェイをとらえていたが、問題はそれが4日間続かないこと。「67」を出した3日目はフィールドの誰よりもアイアンの精度は高かったと思うが、最終日に失速するきっかけとなった7番(パー3)のティショットは、得意の5番ウッドで打った珍しいミスだった。「いいショットが4日間を通して続かない」。松山は今、その答えとなるスイングを求めて、ひたすら格闘の日々を送っている。

体の動かし方を探る(撮影/服部謙二郎)

ボールが入った袋はどんどん追加され、時間は過ぎていった。最終的に本人の納得がいく状態まで打ちこみ、グローブを外したのは夕方4時前。練習ラウンドに出られる時間はとっくに過ぎ、練習場で実に5時間近く打っていたことになる。今大会初出場の松山は、明日のプロアマ戦でインコースを回るが、試合までにアウトコースを回れず、9ホールはぶっつけ本番になる。“こんな状態でコースに行ったって仕方がない”。松山の背中は無言でそう語っているようで、初めてのコースを回ることよりも、スイングの精度アップを優先した形となった。

数カ月前までは首の状態などもあってまともにボールが打てていなかっただけに、これだけ打てるようになったのはひとつのプラス材料。残り試合も少なくなってきたが、早く浮上のきっかけをつかんでほしい。松山は木曜日の初日、午前7時55分(日本時間22日午後8時55分)にマット・ウォレス(イングランド)とカート・キタヤマと同組でスタートする。(コネチカット州ハートフォード/服部謙二郎)

納得のいかない球が出て顔をしかめる(撮影/服部謙二郎)
練習ラウンドに出ずにレンジで球を打ち込んだ(撮影/服部謙二郎)
打撃練習に4時間は費やした(撮影/服部謙二郎)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン