プールも机も仮想樫尾小に 閉校控え、思い出撮影

学校プールのシャワーを撮影する児童=富山市樫尾小

  ●2~6年生21人、好きな場所と自慢 富山

 学校再編に伴い今年度末で閉校する富山市樫尾小をインターネット上の仮想空間に残すための取り組みが22日、同校で始まった。2~6年生21人が校内の好きな場所や自慢したいものを撮影し、思い出を記録する作業を進めた。

 取り組みは「樫尾小デジタル資産化プロジェクト」と銘打ち、最先端のICT技術を用いてバーチャル空間内で立体的に校舎を再現し、そこに児童や教職員、地域住民の思い出の写真や動画を組み込む。閉校後に学校の思い出を振り返ることができ、再編統合の課題である喪失感「学校ロス」の軽減を図る。

 児童はこの日、プールの冷たいシャワーや初めて料理をした調理場、友だちが集まった教室の机など、思い思いの場所やものを撮影した。最後の卒業生となる岩脇のどかさん(6年)は「樫尾小がなくなるのは悲しいけど、バーチャル樫尾小ができるから思い出は残る。そんなにさみしさはないかな」と笑顔を見せた。

 IT業のモデリングX(富山市)が事業パートナーとして協力する。10月に児童がVR(仮想現実)上に写真や添付文章を配置する。バーチャル樫尾小は来年3月の閉校式で公開される。

学校のお気に入りのものを考える児童

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