大分トリニータ 前半戦総括&後半戦の展望 【大分県】

前半戦を12勝4分5敗、勝ち点40の2位で折り返した大分トリニータ。勝負は後半戦へと突入する。強化担当の西山哲平GMに、目標のJ1昇格に向け、現状を考慮しながら、いかなる戦略を描いて達成にこぎつけるのかを聞いた。

Q:今季の目標と、現時点におけるその目標達成の可能性は。

目標はJ1昇格であることに変わりはない。自動昇格のラインは勝ち点80台だと思っている。上位が混戦模様の中で、前半戦を終えて勝ち点40は悪くはないが、もう少し取れたはずだ。

Q:前半戦の手応えと評価は。

序盤は、狙いとする戦い方が表現できていない状況で勝ち点を積み上げることができ、評価できる。サッカーのベースになるのは、最後まで絶対に諦めずに戦う姿勢、攻守の切り替えや球際の勝負へのこだわり、どんな状況でもファイティングポーズを取る強い意志。そういったものがうまくかみ合った。相手の対策が進み、ベースの部分を出し切れず、思うような結果に結びつかない時もあった。

Q:ここまでのベストゲーム、ワーストゲームとその理由は。

ベストはない。強いて挙げるなら、4戦未勝利で迎えた19節甲府戦。狙い通りの展開ではなかったけど、序盤に勝てていたときのような粘り強さが出た。どんなに狙いを持って試合に臨んでも、根底の部分や守備、ハードワークができなければ勝てない。それをもう一度取り戻せた試合だったと思う。ワーストは5失点した16節山形と17節長崎。長崎戦は、相手の人数が少ない状況で試合の締め方が悪かった。勝たなければいけない試合だった。

「今後もベースの部分を強くしたい」と語った西山哲平GM

Q:今後の改善すべきポイントやポジションは。

4バックでも3バックでも、やることは変わらない。プレーの精度と判断スピードを上げていく作業が必要になる。やっていくしかない。ポジションでいえば、絶対的なストライカーがいない。伊佐(耕平)がすごく頑張ってくれているが、得点というところでサムエルの復調がポイントになる。けが人が多いが、今季の復帰が難しい茂(平)がプレーしていた右サイドは、松尾(勇佑)や屋敷(優成)が、その穴を埋める可能性を感じさせるプレーをしてくれている。池田(廉)の復帰も大きい。中盤でボールを動かせるようになりテンポがよくなった。チームとしての狙いをより表現しやすくなった。

Q:外国籍選手を含め、今季中での補強の可能性は。

当初から予算を確保していないので難しい。茂の離脱は誤算で、そこを補う必要はあると思うが、松尾や屋敷の成長の妨げになってしまうかもしれないので悩ましい問題だ。前線については、1トップのシステムであればFWは1人でいいわけだし、トップ下の選手に有能な選手が多く、(渡辺)新太が戻ってきた。補強の情報はいろいろと取っているが、チームの推移を見ながら考えたい。

前半戦を2位で終えた大分トリニータ

(柚野真也)

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