中学生いじめ自殺…学校が対応不十分、長く苦しんだと第三者委が報告 小6から自殺未遂、回避できた可能性

 埼玉県川口市の中学校に通っていた男子生徒=当時(15)=が卒業後の2019年9月に自殺したことについて、川口市は23日、第三者委員会「いじめ問題調査委員会」(市川須美子委員長)の報告書を公表した。

 報告書によると、男子生徒は、小学6年生の夏以降、同級生らからのいじめや精神的苦痛を繰り返し訴えていたが、「適切で十分な調査が行われず、いじめや二次被害の精神的苦痛が大きくなり、つらく苦しい状態が数年間にわたり継続した」と分析。「何らかの適切な介入が行われ、苦痛を軽減できていれば自殺を回避できた可能性がある」と指摘した。

 男子生徒は小学6年の頃から何度も自殺未遂を図り、中学卒業後の19年9月に自殺した。

 市教委は17年に第三者委を設置したが、男子生徒の自殺後、20年に新たな委員会を立ち上げて調査していた。市教委は「報告書の内容を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努め、二度とこのような痛ましいことが起こらないよう対応していく」とコメントした。

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