ポール・マッカートニー、“ザ・ビートルズ最後のレコード”へのAI導入について補足「全て本物で、私たち全員が演奏している」

ポール・マッカートニーが今月、まだタイトルが発表されていないザ・ビートルズの新曲を仕上げる過程で人工知能(AI)を導入することを明かした際、このニュースはAI論争の両側から強い反応を呼んだ。音楽業界がAIの普及と進歩に取り組み続けるなか、人工知能を倫理的に作品に取り入れる方法について議論が続いている。

現地時間2023年6月22日のツイートで、ポールはAIに関する以前のコメントの意図を説明した。彼は、「現段階では多くを語ることはできないが、はっきりさせておきたいのは、人工的に、あるいは合成的に作られたものは何もないということだ。全て本物で、私たち全員が演奏している。既存のレコーディングをきれいにしたんだ。これまで何年も行われてきたプロセスだ」と綴り、「今年の後半に皆さんと何かを分かち合えることに、私たち以上に興奮している者はいない。私たちと同じように愛してくれることを願っている」と締めくくった。

6月13日に放送された英BBC Radio 4の『Today』とのインタビューでポールが説明したように、AIはボーカル・トラックを背景の雑音や楽器から分離するために使われるのであって、新曲を作るために使われるわけではない。彼はこの会話で、タイトル未定のトラックを制作するにあたり、古い録音から故ジョン・レノンのボーカルを抽出するためにAIを使用したと語っていた。

ポールが“ザ・ビートルズ最後のレコード”と呼ぶこのプロジェクトは、1978年にジョンが書いたラブ・ソング「Now and Then」ではないかと英BBCは推測している。

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