沖縄で戦死 七飯出身者 日章旗 78年ぶりに遺族の元に

太平洋戦争末期の沖縄戦で戦死した道内出身者が持っていた日章旗がきょう、87歳の長女の元に届きました。日章旗には「祝 応召」などと書かれ、札幌に住む鈴木久子さんの父親で、道南の七飯町出身の米代由雄さんが、職場の同僚らから贈られたものとみられています。太平洋戦争に従軍した米国人兵士が本国に持ち帰り、死亡後は兵士の息子が大切に保管していたといいます。日章旗はその後、米国のNPO法人に寄贈され、この法人の日本人スタッフで、札幌に住む工藤公督さんが2年がかりで米代さんの長女の鈴木さんを探し当てました。日章旗の返還は、札幌護国神社の「沖縄戦戦没者慰霊祭」に合わせて行われました。78年の歳月を経て、父親の遺品を初めて手にした鈴木さんは終始、感慨に浸ったような面持ちでした。鈴木久子さん「父は尺八を吹いていた。その尺八の音色を私は小さいときに聴いていた。まず亡くなった母にこの旗を見せたいですね。母親の写真をこの旗でくるんで、お香を焚(た)いてお清めしたいです」。

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