【連載】突撃!慶應体育会 vol.12 ソフトテニス部男子部

慶應義塾体育会には現在、43の部活がある。そんな体育会各部は普段どのような雰囲気で、どのような練習を行っているのか。試合などでは見られない、体育会の知られざる日常に迫る。第12回となる今回取り上げるのは男子ソフトテニス部。積極的にソフトテニスの動画などを発信し、SNSのフォロワー数は他大ソフトテニス部の中でも随一。驚くことにこうした情報発信や普段の練習の全てを学生主体で行っている。

活動紹介

日差しの強い週末の午後、大きな掛け声とともに爽快な打球音が聞こえてくる。新学期から1ヵ月、下田グランドのテニスコートでソフトテニス部の午後練習が行われていた。授業期間中は週4~5で練習を行う。長期オフは夏に開催されるインカレの後に1~2週間と冬期休暇中に2か月ほど設けられる。3月には千葉の白子で2泊3日の合宿があり、その後1週間は日吉で泊まり込み合宿が行われる。

練習は基本的に野外のオムニコートで行われており、ナイター照明設備のおかげで8時から21時での使用が可能である。雨の日にはオンラインでトレーニングを実施したり、ユーチューブで掲載されている他校のプレービデオを分析している。

テニスコートは近年改修したばかり

チームの特徴

ソフトテニス部の特徴とし男子主将・北川寛二(商4・慶應)は「主体性」を挙げる。活動における監督やコーチの介入は少なく、学生コーチもいない。学生主体で回っているこの部では「自分で考える力」がより重視されている。部員が主体性を持ってテニスに打ち込み、監督やコーチ不在で指示のない中でも、弱点を克服したり強みを上げるための練習メニューなどを考え、他校に勝る力を育む。これがチームの特徴であり、強みでもある。

そんなソフトテニス部が力を入れているのはSNSでの広報である。特にコロナ禍に注力し始め、SNSの総フォロワー数は2万人に迫る勢いである。また最近は、競技人口が最も多い中学生を狙ってTikTokでの発信も始めたという。その目的は他大との差別化による新入生の獲得ももちろん、ソフトテニスという競技をメジャーにしたいという強い思いも込められている。

また部員数が他の部活より少ない点も特徴であり初田吏希選手(商3・慶應)は「先輩後輩の関わりとかが他の部活より強い」と語る。

主将・北川を中心に主体的に練習に取り組む

チーム成績

ソフトテニスのリーグ戦(関東学生春季リーグ戦)は1~10部まであり、各リーグではダブルス4本、シングルス1本の計5本を、総当たりで5校と対戦する。近年の慶大は東海大などとともに2部リーグで戦う。昨年3部に降格したものの、来季にはすぐに昇格。夏のインカレについては部の最高成績はベスト4。今季はインカレ・ベスト16を目標に据える。高い壁でもあるが、それに向かって全員がチーム一丸となって練習に励んでいる。

インカレ・ベスト16に向けて鍛錬する

メッセージ

部では中学校から始めた選手が大多数で、高校から始めた選手も一定数おり経験者が多い。しかし、主将・北川はソフトテニスに入部するにあたって最も重要なのは経験があるか否かではなく、「やる気」であると語る。

主将も語るように、大学に入り体育会という場でスポーツを続ける選択は決してメジャーではない。それでも自ら挑戦したいという強い希望のある人には是非入部してほしいという熱い思いを語ってくれた。

マネージャーも性別問わず募集する

(取材:妻井安那、五関優太)

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