踊る機会が制限されているアルジェリア スペイン行きの夢を語る女性ダンサー 「裸足になって」本編映像

2023年7月21日より劇場公開される、「コーダ あいのうた」でろう者の俳優として初めてアカデミー助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァーが製作総指揮を務めた、「パピチャ 未来へのランウェイ」のムニア・メドゥール監督作「裸足になって」から、主人公フーリアの親友であるソニアの真っすぐな思いを描き出したシーンの、本編映像が公開された。

公共の場所では踊る機会が限られ、身体を使った表現も規制されているアルジェリア。「惨めな生活を続ける?石油も水も小麦も不足してる、ネットや文化も。次は酸素まで奪われて死ぬかも」と語るソニアは、ダンサーへの夢を持っていても、現実では生きるためにホテルで清掃バイトをする日々しかないことに嫌気がさしている。そんなソニアは、危険を承知でビザを偽造して出国しようと考え、スペインでダンサーになるという夢のために、「一緒にバルセロナへ」とフーリアへ熱心に語りかける姿を見せる。

「裸足になって」は、北アフリカのアルジェリアを舞台とした作品。内戦の傷が癒えきらぬ不安定な社会の中で、バレエダンサーになることを夢見るフーリアは、貧しくもささやかな生活を送っていた。しかしある夜、男に階段から突き落とされて大けがを負い、踊ることも声を出すこともできなくなってしまう。すべてを失い、抜け殻のようになったフーリア。失意の中、フーリアがリハビリ施設で出会ったのは、それぞれ心に傷を抱えたろう者の女性たちだった。「わたしたちにダンスを教えて」の一言から始まったダンス教室で、フーリアは再び生きる情熱を取り戻していく。

抑圧された社会の中で、手を携えて立ち上がる女性たちとの交流を通じて、慈愛と生きる力強さを描き出した本作を手掛けたのは、第72回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品された「パピチャ 未来へのランウェイ」のムニア・メドゥール監督。ウェス・アンダーソン監督「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」で、ティモシー・シャラメらと共演したアルジェリア出身のリナ・クードリが、主人公フーリアを演じている。

【作品情報】
裸足になって
2023年7月21日(金)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
配給:ギャガ
©THE INK CONNECTION - HIGH SEA - CIRTA FILMS - SCOPE PICTURES FRANCE 2 CINÉMA - LES PRODUCTIONS DU CH'TIHI - SAME PLAYER, SOLAR ENTERTAINMENT

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