150キロの速球を目指しながら、地方公務員の試験に挑む―。“二刀流” で進路を切り拓く広島の大学生の挑戦を取材しました。
広島6大学野球 春季リーグで優勝を果たし、神宮大会にも進出した広島経済大学野球部。チームの原動力は、層の厚い投手陣です。
そんな中で存在感を示す 高城拓叶 投手。145キロの速球を武器に未来を切り拓こうとしています。
広島経済大 高城拓叶 投手
「インコースに真っすぐで押せること。それとカットボールに自信があります。あこがれは 大谷翔平 投手。フォーム・トレーニングなどを参考にします」
― 夢は？
「プロ野球の世界で投げられるようになりたいです」
182センチの恵まれた体格で、ポテンシャルは高く、プロ入りを期待されていますが、ことしのドラフト会議は有望選手が多くそろう豊作の年だといわれています。それだけに、高城選手も「プロ一本」とは言い切れない状況です。
この日は、大学のキャリアセンターで進路についてのカウンセリングを受けていました。
高城拓叶 投手
― プロ野球選手以外のキャリアプランは？
「消防士か警察官です。小さい頃から消防士になりたいと思って、それから野球をしてプロを目指すようになった」
広島経済大 キャリアセンター 香川文絵 さん
「3年生のときに面談に来たが、もう一度、面談に来てくれた。自分は（野球と公務員の）二刀流を目指す。わたしも一緒にがんばりましょうと伝えた」
ただ、簡単にプロ野球の夢はあきらめません。地方公務員試験の勉強に励みながら、投手としての課題をつぶしていきます。
広島経済 大堤裕次 監督
「145キロの球を、140キロ台後半～150キロのスピードが必要。あと数か月、しっかり上げていければと思う」
チームメート 根本大誠 投手
「勉強しながら野球もする。真面目なので、すごいと思う」
持ち前の球威に加え、強気のピッチング。評価を高める場は、まだ残されています。資格試験と野球、“二刀流” の挑戦は続きます。
広島経済大 高城拓叶 投手
「春の全国大会で差を感じた。秋の全国大会で勝てるようにやっていきたい」
― 高城投手は、公務員試験の勉強と野球を両立させますが、チームメイトも「とにかく時間の使い方が上手」と絶賛しています。いずれにせよ、夢をかなえてほしいものです。
