SF富士公式テストセッション2は山本尚貴が唯一の21秒台でトップに。21番手までが1秒以内の接戦

 静岡県の富士スピードウェイで開催されている2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権の公式テストは、6月23日の午後にセッション2が行われ、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)が最速タイムをマークした。

 午前のセッション1に続いて行われたセッション2は、午後にかけて次第に広がり始めた薄霧がコース全域に立ち込めるなか、スケジュールどおりの14時にスタート。なお、このセッションでは、午前のセッション1で使用できなかったオーバーテイクシステム(OTS)が使用可能となっている。

 シグナルグリーンと同時に関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)を先頭に各車コースインし、B-Max Racing Teamからエントリーしている大津弘樹はラウル・ハイマンのマシンに乗り込んで走行を開始している。

 セッション2はまずは山下健太(KONDO RACING)がトップに立つと、そのタイムを小林可夢偉(Kids com Team KCMG)が塗り替え、さらに3番手には小高一斗(KONDO RACING)が続き、序盤はトヨタエンジン搭載車両がタイムを更新しあう。

 その後はホンダエンジン勢もタイムを記録しはじめ、野尻智紀(TEAM MUGEN)が可夢偉の記録したタイムを上回り首位に浮上すると、チームメイトのリアム・ローソン(TEAM MUGEN)もペースアップし、1分22秒479でトップへ躍り出る。

 開始から20分ほどでは、セッション1終盤でマシンストップに見舞われた松下信治(B-Max Racing Team)が3番手タイムを記録し、その後は次第に各車ペースアップ、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が5番手、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)が6番手へ順位を上げる。さらに牧野はその後に1分22秒934を記録してローソンに続く2番手となるも、可夢偉が0.048秒差で牧野のタイムを上回る。

2023スーパーフォーミュラ富士公式テスト 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 その後も坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)と宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)が5番手、6番手に浮上すると、続いて野尻も1分22秒894を記録し3番手に。さらに阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)が1分22秒777で2番手となるも、大湯都史樹(TGM Grand Prix)がその直後に1分22秒568で阪口を上回る。

 しかし、依然として首位はセッション序盤に1分22秒479を記録したローソンのまま走行は折り返しを迎える。その後各車は順調に走行を重ね、ロングランを行いながらマシンとセットアップの確認を行っていく。そして残り10分を切った段階で各車アタックシミュレーションへと突入し、それぞれOTSを使用しながら自身の自己ベストタイムを更新していく。

 そのなかでまず太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分22秒442で首位に立つと、その直後に山本が1分21秒897でトップタイムを上回る。さらに坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)がその時点での2番手、福住仁嶺(ThreeBond Racing)が4番手に飛び込み、山下健太(KONDO RACING)も3番手となるなど、まるで本戦さながらのアタック合戦が繰り広げられる。

 その後も前戦覇者の宮田、同じく前戦3位表彰台の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分22秒009で2番手、復調の兆しをみせる大嶋和也(docomo business ROOKIE)、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)、さらに次戦となる第6戦富士から36号車のステアリングを握る笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、そして最後に大湯都史樹(TGM Grand Prix)もタイムを上げてくるものの、トップ2のタイムを上回るまでは至らず。

 セッション2は最終的に山本がトップで終えることになり、牧野が2番手、佐藤が3番手というトップ3に。さらに4番手には大湯が続き、セッション2はホンダエンジン搭載車両がトップ4を占める結果になり、21番手の野尻までが1秒以内に収まるという接近戦が繰り広げられた。富士公式テストは翌24日も行われる予定で、午前と午後にそれぞれ2時間のセッションが予定されている。

2023スーパーフォーミュラ富士公式テスト 大湯都史樹(TGM Grand Prix)

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