24歳男性が無罪に…監禁と強盗傷害罪に問われていた 被害者の証言が変遷 犯行に積極的に加担した証拠なし

さいたま地裁=埼玉県さいたま市浦和区高砂

 千葉県松戸市のアパートで2020年10月、ベトナム人2人がグループに監禁、暴行され現金などを奪われた事件で、監禁と強盗傷害の罪に問われたベトナム国籍の男性(24)の判決公判が22日、さいたま地裁で開かれた。佐々木一夫裁判長は「犯行に積極的に加担したことを示す証拠がなく、共謀も認めることはできない」として、無罪(求刑5年)を言い渡した。

 判決で佐々木裁判長は、男性がアパートに監禁、暴行された過去があることや、男性が犯行に加担していたと主張する被害者の証言に変遷が認められることなどを指摘。「積極的に加担していたことをうかがわせる事情は認めがたく、男性が他のメンバーと一緒に犯行に及ぶつもりだったと認めるに足る証拠はない」と述べた。

 判決にさいたま地検の加藤匡倫次席検事は「判決内容を精査し、適正に対処したい」とコメントした。

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