UEFA決定に不服のモウリーニョがUEFAフットボール委員会を辞任…セリエAでも不穏な動き

[写真:Getty Images]

ローマを率いるジョゼ・モウリーニョ監督が、UEFAフットボール委員会を辞任する決断を下した。

UEFAフットボール委員会は、ヨーロッパのフットボール界で輝かしい実績を残した元選手や監督で組織される諮問機関。フットボール関連の基本的なトピックについて、各自が経験と専門知識の声を提供する目的で設立されている。

そのメンバーにはカルロ・アンチェロッティ氏、ジネディーヌ・ジダン氏、ファビオ・カペッロ氏といった選手、監督として実績を残した人物。パオロ・マルディーニ氏やハビエル・サネッティ氏と選手、フロントとして実績を残した人物。今年引退したギャレス・ベイル氏、未だ現役の元スペイン代表MFフアン・マタといった錚々たるメンバーが属している。

モウリーニョ監督は同組織で中心的なメンバーの一人だったが、先日のヨーロッパリーグ(EL)決勝でのアンソニー・テイラー主審に対する暴言によって、4試合のベンチ入り禁止処分を科された一件を受け、辞任を決断。

そして、UEFA理事兼フットボールチームのズヴォニミール・ボバン氏に対して、以下の書簡を送った。

「UEFAフットボール委員会のメンバーとして私を招待していただいたことに感謝するとともに、残念ではありますが、直ちにこのグループへの参加を辞退することをお知らせします」

「加入時に強く信じていた条件がもはや崩れており、この決断を下さなければならない義務を感じました」

「私の決定をアレクサンダー・チェフェリン会長にも伝えていただけるようお願いいたします」

今回の辞任発表によって、欧州サッカー連盟(UEFA)とのさらなる緊張関係が生まれる気配だが、モウリーニョ率いるローマではセリエAの舞台においても不穏な動きがあるという。

モウリーニョ監督を始め、副官のサルバトーレ・フォーティ氏を筆頭にレフェリングに神経質なローマは、今シーズンも多くのスタッフが警告や退席処分を科される場面があった。

加えて、血の気が荒い一部選手や、前述のテイラー主審と家族を空港で待ち伏せて侮辱行為を働いた一部サポーターの評判は芳しくない。

イタリア『Il Giornale』によると、イタリア審判協会(AIA)で各試合の審判団の割り当てを担当するジャンルカ・ロッキ氏の元には、複数名の審判からローマ戦を担当したくないとの要求が届いているようだ。

今シーズンのELとセリエAにおいて、いくつかローマに不利な判定が下されたことはイタリア国内でも概ね認められているものだが、モウリーニョ監督を始めクラブサイドとしては、より冷静に友好的な関係を築いていくことが求められるところだ。

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