米、麻薬原料巡り中国企業起訴　「フェンタニル」違法取引

　【ワシントン共同】米司法省は23日、医療用麻薬フェンタニルの原料となる化学物質を製造し、米国やメキシコに送ったとして薬物の違法取引などの罪で中国企業計4社と中国人の社員ら計8人が起訴されたと発表した。フェンタニルの原料を米国に持ち込む違法取引で中国企業と中国人が起訴されるのは初めて。

　米国では若者らのフェンタニル乱用が深刻化。司法省によると、2022年には約11万人の米国人が過剰摂取で死亡したとみられる。メキシコの麻薬組織が米国に大量密輸しており、米国は原料の化学物質が中国で製造されていると問題視。中国政府に対策を要求するなど、米中の緊張の一因になっている。