【中津】フィリピンの貧しい子どもたちを支援する中津市北門通の永照寺住職細川慈照さん(64)が、子どもたちに贈る鍵盤ハーモニカの寄付を呼びかけている。「貧しくて学校に行けない子どもたちに、楽しく遊べるものを贈りたい」と細川さん。
貧困の中で暮らすフィリピンの子どもたちの映像を見たのをきっかけに、古着や使わなくなったランドセルを贈る活動に参加。同国を訪問するうちに、在留邦人らが首都マニラで結成したサクラ・ライオンズクラブに関わるようになり、同クラブが鍵盤ハーモニカを届ける活動に加わった。
寄託された鍵盤ハーモニカは、おおいたNPOデザインセンター(大分市)の紹介を受けてミンダナオ島沖のシキホール島に送る。8月に細川さんが渡航し、子どもたちに手渡す予定。
楽器に関して、細川さんは、あるフィリピンの孤児との出会いが忘れられない。
ミンダナオ島で孤児として支援を受ける子どもが中津を訪れ、初めてピアノに触れた。その子は、聴いた楽曲の音を耳で拾って演奏し、ギターを自分の耳だけでチューニングしてみせたという。
「貧困のために、持って生まれた才能に気付くことができない子どももいる。多くの子どもに楽器で遊んでほしい。その中から音楽の才能を開花させる子が出てくれば、なおうれしい」
収集には市社会福祉協議会が協力し、市内の各事務所で受け付けている。部品が全てそろっている鍵盤ハーモニカが対象。問い合わせは細川さん(090.3737.7678)か、市社協地域福祉課(0979.23.2095)。