大分市の美術家サバコさん、オランダの国際彫刻展に出品【大分県】

出品者を紹介する看板の前で記念撮影するサバコさん=5月
オランダ・アムステルダムで屋外展示されているサバコさんの彫刻作品「DAION」

 大分市の美術家サバコさんが、オランダ・アムステルダムで開かれている国際彫刻展「アートザウト」に出品している。今回、日本人の出品者はサバコさんだけ。「憧れの彫刻展に自分の作品が並んでいるのが夢のよう」と話す。

 アートザウトは2年に1度開かれ、今年で8回目。5月に開幕し、9月24日までの約4カ月間、招待作家と国際公募枠10人の作品計50点が街中に屋外展示される。出品者には世界的に著名な彫刻家が名を連ね、日本人では過去に奈良美智や草間弥生らも参加している。

 サバコさんは数年前にこの展覧会を知り、豪華な作家のラインアップや、ホームページなどで見たのびのびした会場の空気感に引かれ、いつか作品を出したいと思っていた。

 昨年、募集をサイトで見つけ「ダメもとで」ポートフォリオ(作品集)を送ったところ、今年1月に審査通過の通知が届いた。

 出品したのは「DAION(ダイオン)」。高さ3メートル25センチのポリエステル製で、2020年に制作したもの。「スピーカーのように中央の穴を大きな音が通過するイメージ。風通しのいい作品を作りたかった」。カラフルな色合いが周辺の自然の緑となじむ。

 サバコさんは開幕に合わせ、5月に現地を訪れた。「私の作品が、通りに面したいい場所に設置されていて驚いた」と感想。「巨匠と自分の名前が並んでいるのがうれしくて」と、看板の前で記念撮影も。

 個性的な彫刻作品が並ぶ会場で開かれたオープニングパーティーには誰でも参加でき、地元の人たちが夜遅くまでピクニックをしていて、自由な空気感を体感できた。サバコさんは「街にアートが根付いている感じがした。『よく分からないもの』が街中にあるのはいいことなんじゃないかな。大分もこんなふうになったら面白いのに」と話した。

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