クアルタラロ、“事前クラッシュ”で左足骨折。痛みを抱えながらも初日総合6番手に/第8戦オランダGP

 MotoGP第8戦オランダGPの初日、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は総合6番手で予選Q2ダイレクト進出を果たした。しかし、クアルタラロはオランダGP前に“クラッシュ”を喫して、左足に負傷を抱えていた。

 クアルタラロはオランダGPの初日プラクティスを翌日に控えた木曜日、左足をひきずって囲み取材に現れた。なんでもアムステルダムで、レースウイーク前に“クラッシュ”があったらしい。「ジョギングしていて転んだ。それで足首と足の親指をひねってしまった」のだという。

「1時間以内にレントゲンを撮る予定だよ。ひどいことになっていないといいけど。(レースウイークに)影響はないと思う。ただ、痛み止めは必要だろうね。まさにシフトチェンジするところだし、切り返しで体重をかけるところだから。いつもより疲れるだろうけど、これも仕事の一部だ」

 この時点ではそう語っていたクアルタラロだが、結果としては左足の親指を骨折していた。セッション中、バイクの乗り降りでも左足を引きずりながら移動していたが、その走り、そして結果は怪我の影響による懸念を払しょくするものだった、と言っていいだろう。

 晴れ渡ったアッセンの空の下で行われたプラクティス1で、クアルタラロは5番手につけた。このプラクティス1の後にメディカルチェックがあり、その結果、残りのレースウイークも参加可能だと診断された。

 午後のプラクティス2でも、クアルタラロは6番手タイムを記録する。初日としては総合6番手。2023年シーズンの初日総合の結果としては、ポルトガルGP、ドイツGPに並ぶ自己ベストタイとなった。裏を返せば、今季、いかにQ2進出に苦戦してきたか、ということでもあるわけだが、ともあれ、総合6番手となったことで、クアルタラロはドイツGPで予選Q2へのダイレクト進出を決めている。

「痛みのある一日だったけど、いい日でもあったよ」と、クアルタラロは初日の後の囲み取材で、そう言って初日を振り返った。このとき、クアルタラロの囲み取材はライダーも立ったまま行われたのだが、ふと足元に目をやると、クアルタラロの左足が黒いベルトでしっかりと固定されている。怪我を再認識してクアルタラロの表情に目線を戻すと、いつもと変わらないように思えた。

 ただ、やはり怪我は走りに影響していたという。プラクティス2では痛み止めを使用していた。

「午前中は痛み止めなしで走ったけど、午後は痛み止めを使うことにした。痛みが問題だったからなんだけど、左コーナーのコーナリング中に足が震えてしまってね。特にここの切り返しでは、腕に力を入れている状態で、腕がちょっと疲れているよ。でも、耐えないとね」

 結果として、クアルタラロは総合6番手、Q2進出という形で初日を終えた。決勝レースでの上位争い、表彰台争いのために、次に必要になるのは予選順位だ。

プラクティス2では、セッション中にテールカウルのウイングを取り付けて走行。ただ、あまり大きな変化は感じなかったそうだ
初日総合6番手でQ2進出を決めたクアルタラロ。予選順位をどこまで上げられるか

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