「調査もっと早ければ」…川口いじめ自殺、第三者委が二次被害と自殺の関連性認める 調査評価も残る思い

川口いじめ自殺 報告書受け、遺族「調査もっと早ければ」

 埼玉県川口市の中学校に通っていた小松田辰乃輔さん=当時(15)=が卒業後の2019年9月に自殺し、第三者委員会「いじめ問題調査委員会」(市川須美子委員長)の報告書が公表されたことを受け、遺族代理人の石田達也弁護士は23日、母親の「もし調査が早い段階から行われていれば、息子は死なずに済んだのではないか」とのコメントを発表した。

 報告書は小松田さんがいじめや精神的苦痛を繰り返し訴えたものの適切な調査が行われず、二次被害の精神的苦痛が大きくなり、つらく苦しい状態が継続したとし「適切な介入が行われ、苦痛を軽減できていれば自殺を回避できた可能性がある」と指摘した。

 母親は「新たな第三者委員会は時間をかけ、必死に取り組み、徹底した調査をしてくれた」と調査を評価し、「ようやくいじめが認められ、いじめと自殺の関連性も認められた」とした。

 石田弁護士は二次被害と自殺との関連性を認めた事例が過去にないことから、報告書について「特徴のある注目すべき判断を示した」と述べた。

 小松田さんは小学6年の頃から何度も自殺未遂を図り、中学卒業後の19年9月に自宅近くのマンションから飛び降りて死亡した。

【おことわり】遺族代理人から、実名報道を可とする遺族の意向が示されたため、実名報道としました。

小松田辰乃輔さん(遺族提供)

© 株式会社埼玉新聞社