「引き出しが足りない」「流れを変えたい」「ギリギリの戦い」【SF Mix Voices 前半戦振り返り編】

 6月23日、富士スピードウェイにて行われたスーパーフォーミュラ公式テスト。走行終了後には各ドライバーが参加する取材セッション”ミックスゾーン”が行われた。シーズン折返しでの開催となった今回のテストを踏まえて、これまでの前半戦を振り返りをミックスゾーンで聞くことができたドライバーの声を紹介する。また、ミックスゾーンではSFアンバサダーの土屋武士氏にも前半戦の感想を聞いた。

坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)「僕らは引き出しが足りない」

ドライバーランキング4位/50ポイント

「去年までは予選のタイムが出なかったのが、今年は出るようになっただけワンステップ上がったので、ここからもうワンステップって感じですね。今まではそもそもトップ争いするのなんて年に1回あるかくらいだったので、それが毎戦できるようになったのはチームにとって大きな進歩です。決勝に関しては、僕らは引き出しが足りないのかなと。トムスや無限といった、決勝をどうしたら早く走れるかの引き出しを持っているチームに比べると1歩届いていないところがあって、そこの引き出しを早く見つけないと彼らを崩すというのは難しいと思います」

平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)「ヒントを見失わないよう、丁寧にやっていきたい」

ドライバーランキング5位/28ポイント

「比較的予選のポジションが悪くて、前回のSUGOは結構良くなった感じがあったので、そこでいろいろ(いいセットアップが)見つかったかなと思ったのですけど、まだやっぱり前を走っているクルマと比較するとポテンシャル自体がまだまだ足りない。今年、クルマが変わってからちょっとまだいいセットアップを見つけられていない部分があるのは事実かなというのはあります。そう簡単にはうまく行くものではないんですけど、ヒントはそこら中にあると思うので、それを見失わないように丁寧にやっていければなと思います」

佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)「予選のポジションを改善しないといけない」

ドライバーランキング8位/11ポイント

「前半戦でいうと決勝ペースは常に良いものがあったんですけど、毎度予選のポジションが10番手付近に留まってしまう結果だったので、そこをなんとしても改善しないといけないなと思います。後半戦は予選でまず上位に立って、今までの決勝ペースを活かして表彰台・優勝を目指して頑張ります」

2023スーパーフォーミュラ富士公式テスト 佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)

大湯都史樹(TGM Grand Prix)「ひとつ流れを変えたい」

ドライバーランキング9位/11ポイント

「予選はいいのですけど、決勝のポイントが取れていない(苦笑)。『ここまで取れないか』というくらいのシーズンになっているし、ポイントを取らなきゃいけない状況でプレッシャーと期待に応えられていないのはなんとかしなきゃという気持ちでいます。まあ、次の富士でひとつ流れを変えたいな、とは思いますね。ひとつ変わればまた流れも変わると思うし、(前の年も含めて)今までポイントを取れていなかったわけではないので、その流れが良くなればいいなとは思います」

2023スーパーフォーミュラ富士公式テスト 大湯都史樹(TGM Grand Prix)

太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)「後半戦はもっと上に行きたい」

ノーポイント

「前半戦は出だしが遅れたところはあるものの、中盤までやってきたことが形になりつつあるというのは間違いないので、明日のテストも大事にして後半戦はもっと上に行きたいですし、ポイントには常に絡んで表彰台・優勝を目指せるように頑張りたいと思います」

SFアンバサダー・土屋武士に聞いた、前半戦の振り返り

「みんなギリギリの良い戦いをしてくれていますね。SF23に変わって、(SF19から)苦労していたチームも上位に来れる環境になっている部分があります。SF19はエアロパッケージの部分で精密な管理をしなければいけなかったが、SF23はプラスαでメカニカルグリップと呼ばれる部分の割合がSF19よりも大きくなっているんじゃないかな。あとは、新しいタイヤは温度依存性がシビアなので、そこをちゃんと掴んでいるチームが上位に来ているなと思いました」

「後半戦はもっと混沌としていくと思いますが、新しく笹原選手という役者が増えていいレースバトルが期待できるのではないかと思います」

 仕切り直しとなる第6戦は、7月15日(土)〜16日(日)今回の公式テストと同じ、富士スピードウェイにて開催される。

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