福岡の中学生に被爆体験を朗読 原爆被害者の会博多区支部のグループ 8人の話を初めて披露

被爆体験を朗読する「青空の会」のメンバー=福岡市、那珂中

 福岡市原爆被害者の会博多区支部の朗読グループ「青空の会」は21日、同市立那珂中の平和学習で被爆体験の朗読を初めて披露し、3年生約250人が静かに耳を傾けた。
 青空の会は50~70代の7人。同支部の被爆者の平均年齢は88歳と高齢化が進み、体験を受け継いでいこうと集まった。
 平和学習には、青空の会から4人と、長崎で被爆した吉崎幸恵さん(83)=福岡市=が参加。メンバーは被爆者の絵画などをスライドで映しながら、長崎、広島で被爆した8人の体験を読み上げ、「(被爆者が)思い出したくない記憶を伝えてくれた重みを受け取り、平和の輪を広げてほしい」と呼びかけた。吉崎さんも「戦争はノーだと言葉に出して行動し、平和を明日につなげる人になって」と期待を込めた。
 3年の髙木日菜乃さん(14)は「当時の光景が思い浮かび、改めて戦争は恐ろしいと感じた。辛い体験を伝えてくれたことに感謝し、戦争や平和について振り返って考えたい」と話した。

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