平安時代の男性貴族と女性貴族の装束を深堀り!【図解 源氏物語】

男性貴族の装束

朝廷に出仕するときなど晴れの場で着る「晴装束(はれしょうぞく)」には、束帯(昼装束 ひのしょうぞく)など、日常に着る「褻装束(けしょうぞく)」には直衣(なおい)などがあった。

束帯(文官用)

上半身の最上層に袍(ほう)、その下には長い裾のついた下襲(したがさね)を着る。下半身の最上層に表袴(うえのはかま)を履く。通常、文官は太刀は帯びないが、官位の高い者は腰には平緒を巻き、飾太刀を吊る。冠をかぶり、手には笏(しゃく)を持つ。

直衣

上半身の最上層に直衣を着る。下半身の最上層には指貫(さしぬき)を履く。烏帽子(えぼし)を常用する。

女性貴族の装束

「晴装束」には裳唐衣(もからぎぬ)「褻装束」には小袿(こうちぎ)などがあった。

裳唐衣

俗に十二単(じゅうにひとえ)と呼ばれる。最上層には唐衣(丈が短い美しい衣)を着る。唐衣の下は、最上層から上着、打衣、袿(複数)、単。唐衣と表着の間に、腰から下の後背部を覆って後ろに長く引く裳を腰に巻いて着ける。裳には引腰という紐がついている。

小袿

最上層に、小袿(高価な織物を使って裾を短く仕立てた袿)を着る。内側には、袿(複数)と単を着る。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 源氏物語』高木 和子

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 源氏物語』
高木 和子 監修

平安時代に紫式部によって著された長編小説、日本古典文学の最高傑作といわれる『源氏物語』は、千年の時を超え、今でも読み継がれる大ベストセラー。光源氏、紫の上、桐壺、末摘花、薫の君、匂宮————古文の授業で興味を持った人も、慣れない古文と全54巻という大長編に途中挫折した人も多いはず。本書は、登場人物、巻ごとのあらすじ、ストーリーと名場面を中心に解説。平安時代当時の風俗や暮らし、衣装やアイテム、ものの考え方も紹介。また、理解を助けるための名シーンの原文と現代語訳も解説。『源氏物語』の魅力をまるごと図解した、初心者でもその内容と全体がすっきり楽しくわかる便利でお得な一冊!2024年NHK大河ドラマも作者・紫式部を描くことに決まり、話題、人気必至の名作を先取りして楽しめる。

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