昼下がり、兵庫県洲本市本町のコモード56商店街を歩いていると、店先に取り付けられたかわいい木の箱が目に留まった。玄関のような扉が付いている。瓦屋根も。ん? 目を凝らすと、箱の中にメーターが見えた。
箱を作ったのは、同商店街にある衣料品店「マルトミ」の店主笹山照雅さん(73)。約7年前に店の玄関をリフォームした際、店の外に付いている電気メーターも、同じ和風にしようと考えたそう。
ミニチュアの町並み、家具が並ぶ部屋…。店内にはほかにも、菓子の包装紙などを再利用したお手製の品がいくつか置かれていた。
「本業ではない。好きでやっていることだから」
無機質な物も、笹山さんの手にかかるとまるで動き出しそうな気がした。(古田真央子)