定員増を優先、強度低下か 潜水艇事故で専門家指摘

潜水艇とツアー会社の最高経営責任者(上)=2018年9月(Alan Berner/The Seattle Times提供・AP=共同)

 【ニューヨーク共同】英豪華客船タイタニック号の残骸を見るツアー中に損壊した潜水艇「タイタン」について、船舶工学の専門家は23日までに、定員を増やすために球形ではなく、横長の円筒形にしたために水圧に対する強度が低下し、事故につながった恐れがあると指摘した。

 5人が乗ったタイタンは18日の潜水後、行方が分からなくなった。水圧でつぶされたとみられ、22日に海底で破片が見つかった。

 英プリマス大のジャスパー・グラハムジョーンズ准教授は「居室部分を守る圧力隔壁は最も強度が高い球形が一般的だ」と説明。タイタンの横長の船体は負荷がより強くかかり、材質の疲労を早める構造だと分析した。

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