絶滅危惧種コアジサシ 手取川中州で営巣確認

コアジサシのつがい=24日、川北町朝日の手取川

 北國新聞社の手取川環境総合調査で24日までに、絶滅危惧種の鳥コアジサシが、手取川中州で例年通り営巣していることを確認した。昨年は中州ではなく、河口から取り除いた堆積土砂の盛り土の上で巣が見つかったが、天敵のカラスに襲われるなどで全滅したとみられる。飛来が減少する中、専門家は営巣の成功を期待している。

 営巣は調査団の中村正男さん(日本野鳥の会石川顧問)らが5月27日からの調査で確認した。今月6日に営巣地を探して飛び回るコアジサシの姿があり、17、24日に五つの巣を確認した。抱卵しているとみられる巣もあったという。

 コアジサシはカモメ科の渡り鳥で、石川県の絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。県内では4月下旬から8月中旬に手取川で見られ、中州が営巣地となっていたが、昨年は確認できなかった。

 中村さんは過去10年のうち半数は川の増水で巣が全滅しているとし、「営巣が成功し、無事巣立ちできることを願う」と話した。

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