省エネ家電だけじゃない…夏本番前に売れ行き好調な節電グッズ 緑のカーテンや簡易ロックも

買い替えによる節電効果をアピールするエアコン売り場=福井県福井市新保北1丁目の100満ボルト福井本店

 電気代が高騰する中、夏本番を前に福井県内量販店や電気店では節電商品の売れ行きが好調だ。店舗側も節電グッズコーナーを設けるなど、販売を強化している。

 ◆元は取れる

 「10年前のモデルから買い替えると、毎年最大約1万4100円節電」。100満ボルト福井本店のエアコン売り場には、天井から大きなポップがつり下げられ、来店客の目を引いている。平日の午前中でも客がひっきりなしに訪れていた。

 水上大吾店長は「機能がたくさん付いた上位機種の売れ行きがいい」と話す。上位機種を使い続ければ、下位機種との電気代の差額は、10年保証の期間で"元が取れる"状態という。「お客さまは電気代に敏感。丁寧に説明すれば、節電効果に納得してもらえる」と力を込める。

 特にお薦めするのが、フィルターや熱交換器の自動掃除機能付きの機種。フィルターが汚れた状態で運転を続けると電気代が25%上がるとも言われており、「使用時の電気代だけでなく、冷却効率が落ちて損をしないかという観点も大切」としている。

 このほか、消費電力が少ない直流モーターを使った扇風機の注目度が高い。また、県内でオール電化が普及し始めて15年超がたち、電気温水器からエコキュートへの買い替え需要もあるという。

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 ◆窓に焦点

 住宅の熱の出入りの多くは窓を経由する。ホームセンターみつわ(本部福井市川合鷲塚町、山本丈雄社長)は、窓関連のグッズを取りそろえて節電商戦に臨んでいる。

 今年特に売れているのが、窓際に植物をはわせる「緑のカーテン」のセットで、前年比1.6倍の売れ行き。「一時期注目されて以降、下火だったが、ブームが再燃した感じだ」と担当者。収穫が楽しめるゴーヤーや、見た目も涼やかな朝顔が人気を集めている。

 窓に直接貼り付ける断熱パネルや、すだれなどを集めたコーナーも設置。エアコン室外機の遮熱シートも品ぞろえを充実させている。

 意外な注目を集めているのが、網戸に取り付ける簡易ロック。担当者は「全国的に強盗事件のニュースが多いからか、防犯意識が高まっている」と話した。

 オール電化の家庭向けの節電グッズとして節水型のシャワーヘッドなども提案している。

 ◆家丸ごと

 家を丸ごと節電仕様にし、エネルギー収支を実質ゼロにする「ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」もニーズが高まっている。2025年度から新築住宅の省エネ対応が義務付けられることもあり、ZEHブランド「エコスマ」などを展開するタキナミ(本社福井市順化1丁目、瀧波成嘉社長)の担当者は「少しずつだが、太陽光発電の搭載など省エネへの関心は高まっている」と話す。

 太陽光発電搭載のZEHと一般住宅では、10年間で光熱費が約140万~230万円の差が出た実績などを紹介。電気代高騰により、現状はさらにコスト削減効果は高いという。

 リフォームでも「家の中の暑さ、寒さを改善したいという要望は、ほぼ全数」(担当者)。中古住宅を購入しフルリフォームするケースも増えているという。

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