中絶の権利擁護に「闘い続ける」 米最高裁判断から1年で集会

米最高裁の前で「中絶はヘルスケア(健康管理)のプラカードを掲げ、中絶の権利擁護を訴えるデモ参加者=24日、ワシントン(AP=共同)

 【ワシントン共同】米連邦最高裁が中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェード」判決を覆して1年となる24日、全米各地で中絶の権利擁護を訴える集会が開かれた。ワシントン中心部の広場では女性ら数百人が「闘い続ける。黙ってはいられない」と声を上げ、最高裁へ向けてデモ行進した。

 最高裁前では中絶反対派が「中絶は殺人だ」などのプラカードを掲げてドラムを打ち鳴らし、権利を主張するデモ参加者がメガホンで激しく対抗した。権利擁護派の東部メリーランド州の大学生サラ・ギボンズさん(20)は「中絶は医学的な選択で、本人以外の誰も関与すべきでない。デモや投票で意思を示していきたい」と語った。

 昨年の最高裁判断以降、多くの州が中絶の制限に動いた。バイデン大統領は24日の声明で、野党共和党は全米での中絶禁止を狙っていると指摘。「多くの国民の考えとかけ離れている」と批判し「議会は中絶の権利を連邦法で保護すべきだ」と訴えた。ハリス副大統領も南部ノースカロライナ州で「私たちの闘いは終わらない」と演説した。

© 一般社団法人共同通信社