人材確保で介護報酬単価「上乗せ10%」へ 京都・長岡京市、24年度から

京都府長岡京市役所

 京都府長岡京市は介護保険サービスの人材確保に向け、介護分野の人件費の地域差を調整する地域区分の引き上げを検討している。現在の区分では、報酬単価の上乗せ割合は6%だが、2024年度から京都市と同じ水準の10%とする方針。

 地域区分は、各地の公務員の地域手当に準じて国が設定し、介護報酬に反映される。長岡京市は本来、京都市と同じ区分の5級地で10%上乗せできる地域となっている。「介護保険料や利用者負担の増額につながる」として、長岡京市は特例の経過措置によって6%上乗せする6級地を維持している。

 市は介護現場の離職防止や就労支援などの人材確保に力を入れているが、団塊世代が後期高齢者となる「2025年問題」が迫る。サービスの需要がより一層高まるとみて、地域区分の引き上げにかじを切った。

 市高齢介護課は「きめ細かなサービス提供には、地域福祉に詳しいケアマネを中心とした介護人材を市内で確保することが急務」としている。

 市が示した変更した場合の一例では、ケアマネジャー(ケアマネ)が要介護1のケアプランを作成する報酬単価は、1件あたり302円増える。市内のケアマネは平均30件以上担当しているといい、1カ月に39件作成した場合、年間約14万円増となる。

 開会中の6月定例市議会で、中小路健吾市長が引き上げ方針について説明した。

 市が本年度策定する第9期介護保険事業計画(24~26年度)に地域区分変更を盛り込み、来年度から実施する方針。

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