ATMで50万円、さらに…別室対応中も鳴る携帯電話 栃木銀行員、特殊詐欺被害を未然に防ぐ 越谷署が感謝状

埼玉県警越谷署の赤星誠署長(左)から感謝状を受け取った福田智明さん(中央)と曽我部律子さん=20日午後、越谷署

 お客さまへの声がけで特殊詐欺被害を未然に防いだとして、埼玉県警越谷署は20日、栃木銀行蒲生支店の福田智明さん(46)と曽我部律子さん(58)に感謝状を贈呈した。

 同署によると4月21日午前10時ごろ、店を訪れた80代男性がATMで50万円引き出した後、さらに窓口で現金を求めた。案内係の曽我部さんが用途を聞くと、男性は「息子に渡す」などと回答。話を進める中で不審な点があったため、福田さんが男性を別室に招き対応した。

 すると男性の携帯電話に犯人と思われる人物から頻繁に連絡が入ったため、福田さんは特殊詐欺と判断。その後、男性の実際の息子に確認し、特殊詐欺が分かった。

 同店は日頃から高齢者への積極的な声がけを実施。今回も職員の連携により、特殊詐欺を未然に防いだ。

 感謝状を受け取った福田さんは「今後も支店全員で声がけを意識していきたい」、曽我部さんは「被害者を一人でも少なくできるよう気を付けたい」と喜んだ。

 越谷署の赤星誠署長は「鋭い機転と模範的な声がけで、特殊詐欺を未然に防いでいただき感謝。素晴らしい対応だった」と2人の判断をたたえた。

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