犬に絶対NGな『夏野菜』2選!最悪の場合は死亡することも…食べてしまった時の対処法まで解説

犬に絶対「NGな夏野菜」とは

「夏野菜」は人間にとって美味しくて魅力的ですが、必ずしも犬にとって良いとは限らず、場合によっては最悪の事態を招くこともあります。

そこで今回は、犬に絶対NGな「夏野菜」について解説します。これから手作りご飯を与えたいと思っている方も、ぜひ確認しておいてくださいね。

1.ニラ・にんにく

夏のスタミナ料理には欠かせないニラとにんにく。この2つには「有機チオ硫酸化合物」という成分が含まれています(たまねぎやねぎなどにも含まれています)。

この成分が、犬の赤血球内のヘモグロビンを酸化させ赤血球を壊れやすい状態にしてしまい、溶血性貧血を引き起こします。

症状としては、元気がなくなる、下痢や嘔吐、血尿や重度の貧血、けいれん、呼吸困難、意識障害などがあり、最悪の場合死に至ります。なお、この成分の毒性は、加熱してもなくなりません。

また、犬によって症状を引き起こす成分の量は個体差があり分からない為、そもそも食べさせないようにしてください。

もし愛犬がニラやにんにくを食べてしまった場合は、どれくらいの量を食べてしまったのかを確認し、早急に動物病院で診てもらいましょう。自己流で吐かせるのは危険なのでやめてください。

タイミングによっては、動物病院が開いていないこともあるかもしれません。ですが、ニラやにんにくを食べた直後は大丈夫そうに見えても、数日たってから重篤な症状をひきおこす場合もあります。自分で判断せず、まずはなるべく早いタイミングで電話で獣医師に相談しましょう。

2.唐辛子

暑い夏には、無性に辛いものが食べたくなりますよね。実は夏に旬が始まる唐辛子ですが、犬には絶対に与えてはいけない野菜のひとつです。

辛み成分の「カプサイシン」は、犬にとって刺激が強く、口の中や胃や腸などの消化器官を傷つけてしまうのです。

ごく少量しか食べていない場合は、そのまま一度様子を見ても大丈夫ですが、くしゃみやせき、よだれが止まらない、下痢、嘔吐、食欲不振などの症状が見られる場合は、動物病院で診てもらいましょう。

下痢や嘔吐によって、脱水症状になるのも危険です。脱水症状かどうかを見わけるためには、犬の背中や腰の皮膚をつまんで、皮膚が戻る時間を観察します。皮膚が戻るのに2秒以上かかる場合は脱水症状が疑われます。命にもかかわりますので、すぐに動物病院にいってください。

脱水症状も心配ですが、辛いからといって水をとりすぎると水中毒などの原因になってしまいます。短時間に水を大量に飲みすぎないよう、飼い主さんが様子をみて飲水量を管理してあげてください。

特に注意が必要な夏野菜は他にも

ここからは、「絶対NG」というわけではありませんが、見解が分かれたり、与える量の調整が必要な野菜について解説します。

どうしてもこれらの野菜を与えたい場合には、きちんと調べたり獣医師等の専門家に確認するなどしてから正しい方法ですることをおすすめします。

なす

なすは、犬に与えても良いのか、見解が分かれる野菜です。

『細かくカットしたものを少量であれば問題がない』という説と、『そのアクの強さやアルカロイドという植物毒が微量ながら含まれていることから与えないほうがいい』という説があります。

未熟な実や葉などは有毒なので、家庭菜園で育てている場合は犬が誤って口にしないよう注意が必要です。

トマト

夏野菜の代表的な存在であるトマト。トマトは犬に与えても問題ない野菜ですが、水分が多く含まれるため、あげすぎると下痢になる可能性があります。

また、トマトのへたや花、茎、未熟な実にはトマチンという毒物質が含まれるため与えないようにしてください。

トマトだけでなく、そもそもどの野菜でもいえることですが、犬の体質によってはアレルギーを起こす場合もあります。愛犬が初めて口にする野菜は、最初は一度に大量に与えず、少しずつ様子をみながらあげるようにしましょう。

きゅうり

トマトと同様、きゅうりも水分が多いため、与えすぎには注意が必要です。食べさせるなら、犬は丸のみにしてしまう傾向にあるので、つまらせないよう小さくカットしてあげてください。

きゅうりやズッキーニを買って食べたときに、たまに苦いものに当たったことはありませんか。実はこの苦味の原因である「ククルビタシン」という成分は、人間も多量に摂取すると下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。

この成分については、犬に悪影響があるのか、あるとしたらどのくらいなのか、現在ではまだわかっていません。犬に食べさせるなら、念のため飼い主さんが味見して確認してからにしましょう。

まとめ

今回は、犬に絶対NGな「夏野菜」についてご紹介しました。

人間にとっては美味しくて栄養のある野菜でも、犬の健康には悪影響を及ぼしてしまったり、あるいは与える量に注意が必要な場合や、生で与えるのはNGなケースもあります。

どのような種類の野菜でも、初めて与える場合には、必ず事前に詳しく調べてから一緒に楽しむようにしてくださいね。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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