決勝はドゥカティのバニャイアが4勝目。アプリリアのアレイシが今季初の表彰台/第8戦オランダGP

 6月25日、2023年MotoGP第8戦オランダGPの決勝レースがTT・サーキット・アッセンで行われ、MotoGPクラスはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が制した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は今シーズンのベストとなる8位で終えている。

 今大会は、ホンダ勢はジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)の代役にイケル・レクオーナ、アレックス・リンス(LCRホンダ・カストロール)の代役としてステファン・ブラドルが起用。マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は決勝日の朝に欠場の判断を下した。

 また、引き続きポル・エスパルガロ(GASGASファクトリー・レーシング・テック3)の代役にジョナス・フォルガー、ワイルドカードでロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング)が参戦している。

 決勝レース前最後となる午前のウォームアップ走行では晴れで、気温23度、路面温度27度のドライコンディション。特にトラブルなく進み、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がトップタイム、中上が2番手、バニャイアが3番手だった。

 26周の決勝レースは、気温30度、路面温度47度でドライコンディション。ホールショットをブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が奪い、バニャイア、マルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)が続く。

 1コーナーの立ち上がりでアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)はルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシング・チーム)と接触して右側のウイングを破損している。

 日本メーカーでは、ホンダの中上は10番手、ヤマハのクアルタラロが12番手までダウンして、フランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は15番手につける。2周目の1コーナーでは、7番手を走行中のジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)がスリップダウンした。

 その後隊列が安定すると、ビンダー、バニャイア、ベゼッチのトップ3の後ろに、アレイシ・エスパルガロ、マリーニ、ミゲール・オリベイラ(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)が続く。

 3周目には12番手、13番手のクアルタラロがヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)を巻き込んで転倒。4周目には8コーナーで5番手まで上げていたマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)が切り返しで転倒を喫した。

 このラップではバニャイアがトップに浮上して、ビンダー、ベゼッチ、アレイシ・エスパルガロ、ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)、アレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)、オリベイラの順に。マリーニは10番手までポジションを下げている。

 7周目にはトップ3が後続に1秒ほどの差をつけて逃げを図る。また、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)が5コーナーでスリップダウンを喫した。

 ここからレースが落ち着き上位に変動はないが、12周目には中上は7番手まで浮上。モルビデリは11番手、レクオーナは12番手まで上げている。13周目にはオリベイラがピットに入りレースを終了させた。さらに中上はトラックリミット違反によりロングラップペナルティが科された。

 翌周にはペナルティを消化した中上は8番手となる。また、入賞間近だったレクオーナのマシンにトラブルがあったようで、ピットに入りレースを終えた。

 17周目には2番手がベゼッチに変わり、3番手はビンダーとなる。19周目に5コーナーでファビオ・ディ・ジャンアントニオ(グレシーニ・レーシングMotoGP)がバスティアニーニと同じようにスリップダウンを喫した。

 残り3周には、バニャイア、ベゼッチ、ビンダー、アレイシ・エスパルガロ、マルティンの5名が多少の差がありながらもトップの集団になる。このままトップ5は変わらず、バニャイアが優勝、ベゼッチが2位、ビンダーが3位を獲得した。

 しかし、ビンダーが最終ラップのトラックリミット違反により1ポジションダウン。アレイシ・エスパルガロが3位表彰台に繰り上がった。中上は今季ベストの8位、モルビデリは9位。22台中、14台が完走した。

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